まーしー

ハウス・オブ・グッチのまーしーのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.0
世界的ファッションブランド「グッチ」の創業一族の人間模様を描いたサスペンス・ドラマ。

物語は、野心的な女性パトリツィア(レディ・ガガ)がグッチ家の御曹司マウリツィオ(アダム・ドライバー)と結婚したところから始まる。
パトリツィアを「外部の人間」とみなすグッチ家と、「グッチ家の一員」と主張するパトリツィア。
グッチ家の相続や経営に口出しするパトリツィアの姿は、「グッチ」というブランドに目が眩んでいるとしか思えない。
そして、パトリツィアの独断専行により、グッチ一族は骨肉の争いを展開することとなる。

パトリツィアを演じたレディ・ガガが印象に残る。服装や髪型の変化から、少しずつ悪女になっていく様子が読み取れる。
彼女は「音楽の人」のイメージがあったが、本作で魅せる演技は素晴らしいの一言。
創業家一族の対立の隙を突くなど、恐ろしく頭が切れ、肝の据わった女性に見えた。

2時間30分を超える長編だが、そこまで長さを感じなかった。
それほど描かれている人間関係はドロドロしていた。
脚色が入っているにせよ、「グッチ」の闇の部分を垣間見ることができる本作は、見応え十分の一本と言えるだろう。