延々と歩く

ハウス・オブ・グッチの延々と歩くのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
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 世界的ファッションブランド「グッチ」を襲ったトンデモねえ暗殺事件のお話。

 基本的にはめっちゃ面白い。

 レディーガガが玉の輿をねらうど根性女にピッタリで、頑張ってるのにすかされたり突き放されたりで大いに笑わせてくれる。ヘンな占い師に自分から近づいちゃって、バカじゃないんだろうけど変なとこで墓穴ほるのがリアルだな~。

 濃ゆいルックスとずんぐりむっくりな体型から醸し出される強烈な生命力、そしてエロス!我欲に燃えたぎってる感じがよろしい。

 とはいえ序盤はちょっと散漫かな?分かりやすさを目指して登場人物を一人ずつ紹介してたらかえって焦点がぼけた、みたいな。監督は「エイリアン」などで有名なリドリー・スコットだけど、彼の出身国イギリスには元々こういう感覚があるのかなあと思わんでもない。

 幼少期にイギリスとフランスを行ったり来たりし、その後作家として成功し創設すぐのノーベル賞も噂されたというサマセット・モームは、イギリス人の語り口はつねにわき道にそれて関係ないような逸話や雑談をふくみ、しかもそれが彼らの感覚には合っている…みたいな文章を書いていた。イギリスはいまだにウェールズかどこかが独立するぞと言ってごたついてたりするし、各々が好き勝手してちっとも纏まらない人たちの感覚なのだろうか。
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