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バズ・ライトイヤーのumisodachiのレビュー・感想・評価

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)
3.9




ひと足お先にこちらを鑑賞。【バズを手に入れる前のアンディが大好きだった映画】という設定の作品。

スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーと親友のアリーシャと共に未開の星を開拓する。一見無害に見えた星だったが、襲い来る植物などが生息する危険地帯だった!なんとか宇宙船に戻って脱出を図るバズ。しかし、操作ミスによって宇宙船は大破。宇宙航行に必要なパワーの源となるクリスタルも破壊されてしまう。

1000人を超える船員たちは星にコロニーを作り生活を始めるが、バズは自責の念に駆られたまま。コロニーの責任者となったアリーシャは、バズに新しく生成したクリスタルによるテスト飛行の任務を与える。最初のテストのために飛び立ったバズだったが……。

しっかりSF!という感じで、わかりやすいアドベンチャームービーになっている。また、自分の失敗・自責の念をどう乗り越えるか、責任とはなにか?というテーマもハッキリしている。張られた伏線とその回収も気持ち良く決まるし、星の生物たちはいい感じで気持ち悪いし、バズは今までのキャラ通りの言動をしてくれるし、作品としてちゃんとまとまっている。

前半と後半で作品の展開が変わるのだが、前半はバズの内省とSF的な世界観の提示を中心に狭い範囲で、後半はチームでの行動と発展を中心に広い範囲でストーリーを展開していて、リズムが変わって良い。登場するキャラクターも性別・人種・世代とバラバラで、それぞれに魅力がある。最後の方がちょっとだけ雑な気がしたが、続編も作れそうな感じで終わったのは良かった。

バズって、ちょっと変わっていて頑固だし、自己評価が高いわりに抜けていたりもするんだけど、底抜けに良い人なのがやっぱり魅力だよねー。あと、ソックスという名のネコ型ロボットが有能な上にめっちゃ可愛い。ドラえもんのライバルだな。

あ、あと後半で出てくるスペースシップ関連に記載されている文字がカタカナをアレンジした感じの不思議文字になってたのが気になった。

【以下ネタバレあり】




















公開前から同性愛描写があると話題になっているが、これについてはバズに関わるものではない。

テスト飛行の際に超高速になり、バズの体感時間と実際の星で流れる時間にズレが生じる=数分のテスト飛行から戻ってくるたびに星の人々は数年年を取ってしまう。このことを視覚的に表すため、アリーシャによる①婚約②妊娠③息子が成人する④死ぬ(孫がいる)といった人生の経過を見せているのだが、アリーシャのパートナーが女性なのだ。それだけのこと。

だから、「そもそも恋愛要素が必要なのか?」という質問には、YESと答えるしかない。というか、恋愛自体は出てこない。口頭で「婚約したの。相手は〇〇」と言葉で報告するだけで、パートナー自体はその後のタイミングで数秒しか出てこない。バズ以外の時間が急速で流れていくことを表現するために老化と世代交代を描くことは自然だと思うし、その際にカップルを登場させるのも自然だろう。相手が異性か同性かはどちらでもいいよね。

なお、息子もそのシーンで「相手も女の人だよね?」と小声で確認してきた。これは、婚約の話をしているときに彼らの会話に出てくる三人称が「She」だったため。「そうだね」と言うと、「わかった」と言ってそのまま素直に見ていたし、鑑賞後にもそれについては特にコメントしていなかった。彼にとっては特に引っかかる要素ですらないのだろう。













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