本日の一本。PIXARの映画を映画館で観るのは何年振りなんだろう。
トイ・ストーリーのキャラクター、バズ・ライトイヤーだが、設定は細かく決まっていたもののそこに現れるのは彼と敵ザーグ、あと配下のロボット達だけであった。なので本作は完全なおもちゃのオリジンを描く、映画の背景がまた子供心をこれでもかとくすぐる夢いっぱいの一本。
なにより感動したのはトイ・ストーリーのネタを使い回して小洒落たファンムービーにならず、一本の完成されたSF大作になっていたこと。そしてスター・ウォーズがこれでもかとしくじったスペースオペラのジャンルがスクリーンに帰還したことに違いない。「スペース・スウィーパーズ」などでスペースオペラ自体は受継がれてきたが、ディズニー自ら本流を再認識させてくれる。
バズの頭の硬さや責任感(つまり頑固)を最初から存分に見せつけ、対比として相棒アリーシャの別の役割としての責任を見せて本人の優秀だが孤独を見せるそのやり方がまぁうまい。
そこから彼女の孫娘イジーとお連れ様と共に突如現れた宇宙船とボスザーグに立ち向かう。スター・ウォーズが失ったあの頃のアドベンチャーマインドが本作にはこれでもかと詰まっていた。つまり王道なのだ。これが観たかったのだ。余りにも本作の出来が良すぎたので、オビ・ワンのあの安っぽいドラマは今作のためにルーカス・フィルムから予算とスタッフをパクられたのではないかと思ってしまうほどだ。
ザーグの立ち振る舞いにもちゃんと説明が百パーセント回答がなされている。本家ヴェイダーが情けなく落ちぶれていく中で、ザーグはシス卿はかくあるべきを完璧に見せてくれた。涙が出そう。
相棒ロボット、ソックスの対話できるR2感は宇宙モノが好きな人なら必ず満足させてくれるだろう。またアイヴァンも忘れてはならない。
ザーグロボのモノアイと奴らが射出すらブラスターの音がこれまたたまんない。アニメ、映画、媒体問わずスタッフが研究してきたことがスクリーンの大画面にプレゼンされている。
色々あったが正直ピクサー作品で一二を争う(トイ・ストーリー3は殿堂入り)になったんじゃない?とにかく観てて楽しかった。ディズニープラスに来たら今度は字幕版を視聴しよう。(マイケル・ジアッキーノさん今年何本目よ音楽担当やんの働き過ぎてない?)