このレビューはネタバレを含みます
私はトイストーリーファン歴25年以上のファンです。子供の頃はよくアンディと同じようにバズたちのオモチャで夢中になって遊んでいました。
この作品の監督は様々な媒体のインタビューやパンフレットで「アンディが観たバズライトイヤーの映画を観てみたかった」と語っています。
ですが、この映画を観て恐らく4〜5歳の少年はこの映画のキャラクターグッズなど欲しくはならないでしょう。
アンディはバズライトイヤーの何に惹かれたのでしょうか。
熱い友情ドラマでもタイムパラドックスを練り込んだ脚本でもないと思います。
恐らく少年アンディが観たのは、背中からカッコよく飛び出す翼で宇宙を飛び回り、右手首から発射するレーザービームとカラテチョップで敵を無双する姿ではないでしょうか。
なんせ、TS1時の推定4〜5歳の少年ですから。
しかし、この映画にそれらの要素は出てきません。
作中の殆どで出てくるパワードスーツは、翼やレーザーが搭載される前の、いわゆる旧世代版です。
ラストで我々のお馴染みの仕様のスーツが出てきますが、それを着てのバトルシーンはありません。
いくら想像力豊かなアンディでも、ラストシーンでちょっと出てくるだけのバズで遊びたいと思うでしょうか。
この点において、監督がやりたいと言っていたこととは矛盾してると感じ、とても憤りを感じました。
左胸の赤いボタンが降伏時の救命バルーン射出用ボタンとか悪ふざけもいい加減にしてほしいです。
改良版のスーツで戦ってくれる姿を見せてくれるのならば、続編を待っていたいと思います。
もう一つのツッコミどころとして、95年あたりの映画であんなにゴリゴリのポリコレ対応演出はないんですよね。
まあ、トイストーリーとの繋がりを全く無視してただのSF映画として観るのならば、とてもいい作品だとは思いますよ。