脳みそ映画記録

バズ・ライトイヤーの脳みそ映画記録のレビュー・感想・評価

バズ・ライトイヤー(2022年製作の映画)
2.6
 久しぶりにディズニーピクサーの長編アニメーションが劇場公開されましたね!
これは嬉しい限りです。

 凡作、凡作と言われていますが、個人的にはSF映画として普通に楽しめました。
散々擦られてきた宇宙が舞台のSFもので普通に楽しめたというのは悪くないものだと思います。
 キャラクターも個性的である意味王道と言えるストーリーも良かった。一定の満足感は得られるのではないでしょうか。古典的なSFを目指したという点は達成されたと思います。

 特にソックスは可愛かったですね。ほとんど猫型ロボットになったR2-D2でした。自分がアンディならバズではなくソックスを欲しがります。他にもHAL9000的なアイヴァンなど有名SFもののオマージュもあります。

 ただ、大きな問題点はバズ・ライトイヤーでこれをやったことです。
 大ヒット作トイ・ストーリーの下駄を履かせたかったという意思をヒシヒシと感じます。
 本来バズ・ライトイヤーでなくても映画として成立できていたものをわざわざバズ・ライトイヤーを使ったことでいろいろなところに弊害が生じてしまっているように思います。

 デカデカとアンディが観ていた映画だと銘打っていましたよね。
個人的には多少相違が生じても「アンディが観ていた映画のリブート版なんだな。きっと。」と思い込むことで、心の平穏を保つつもりでしたが、出鼻を挫かれました。
 ということは95年くらいに公開されたってことでしょう?
 まず、そんな時代に同性婚が当たり前に出てくるのはおかしいですよね。
 次にトイ・ストーリーに登場しているおもちゃとデザインがかけ離れています。特に悪の帝王ザーグは全然違うじゃん。
 それにバズの父親設定を無視するのはいかがなものでしょうか。トイ・ストーリーと矛盾が生じます。まぁ後のエピソードで辻褄が合うのかもしれませんが‥。
 
 ストーリーは以外にも重く大人向けでした。失敗が大きなテーマで、取り返しのつかない失敗(マジで切腹ものの失敗)から目を背け続けたバズと失敗を認め仲間を頼ることができたバスとの対比は良かったです。
 ただ、これを観てアンディがバズを保安官と組ませて豚と戦わせるかね。アンディが夢中になるのは個人の感性だからいいんだけど、あの世界全体で大人気になったとは思えないです。あまり、人気が出るような快活な映画ではありませんでしたから。
 
 やはり、バズ・ライトイヤーでなければ良かった映画だと思います。配信ばかりのディズニーが人気作品関連だから劇場公開に踏み切ったのかなと邪推しますが、こんな面白い映画は作れるのだからもっと新しい映画も作って劇場公開してほしいです。
 バズ・ライトイヤーにしたメリットはトイ・ストーリーというベースで底上げがはかれるという戦略的な利点が大きいのはわかるのですが‥。
 まぁ、バズの「この星の地盤は多少不安定」がトイ・ストーリーの台詞だぁ!とかザーグとのバトルがトイ・ストーリー2のテレビゲームの動きだぁ!とかバズ・ライトイヤーであることで楽しめた部分ももちろんありましたよ!