FRANCIS

モーリタニアン 黒塗りの記録のFRANCISのレビュー・感想・評価

3.9
法と世間の目が届かない、キューバ南西のグアンタナモ米軍基地に隠された不都合な真実。

自由と民主主義の名の下、モーリタニアで捕らえられた同時多発テロ容疑者に行われた拷問の数々。

正義を求めて接触を図る人権派弁護士、証拠隠滅を図る合衆国軍の静かな攻防。

偽りの大義に下された鉄槌、オバマ政権後も変わらぬアメリカの闇部。

『ラスト・キング・オブ・スコットランド』など、社会派作品を手がける英国人ケヴィン・マクドナルド監督が久々に本領を発揮した作品に。

ハリウッドの主流から外れたイギリス資本との合作で作られる本作は、イギリスを代表してベネディクト・カンバーバッチが参加。

アメリカ映画には『エリジウム』以来実に8年ぶり(!)となるジョディ・フォスター。社会的なメッセージ性を持つ作品との関わりは監督作『マネーモンスター』を除いて避けてきたものの、本作ではその意義を買って出演。ゴールデングローブを勝ち取った名演を見せる。

助演には、活動家としての顔をもつシャイリーン・ウッドリーや『シャザム!』で人気急上昇中のザッカリー・リーヴァイ。フランス語圏でもマルチな才能で活躍する、主演タハール・ラヒムを全力でサポートするバイプレーヤーとしての彼らからも目が離せない。
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