ボギーパパ

モーリタニアン 黒塗りの記録のボギーパパのレビュー・感想・評価

3.5
劇場2021-75 TC川崎

based on true storyではなく原作者=主人公が「true story」と言いきった本作、はっきり言って本当に怖かった。悪名高きグァンタナモ収容所のその悪名はここから来たのか、、、

September11に首謀、関与を疑われたモハメドゥは裁判もなく投獄。これを不当とした人権派弁護士ナンシー達と、政府・軍側で起訴推進側スチュワート中佐の両サイドから調査が本作のメインストリーム。

当たり前と言えば当たり前なのだが、この当たり前に進まないところが観客を引っ張る。両サイドから「事実」を探る展開はごくごく普通の法廷モノなのだが、そこにある政府の障壁は極めて高く、闇は深く心から恐怖を覚えた。

そしてどこぞの国も全く同じ構造ではないのか?
という怖さを覚える。

そんなフレームの怖さだけではない。ディテールであるグァンタナモの悪名のコア「拷問」、しかも政府認可のこの拷問(シーン)が生半で無い。
様々な作品から見聞きしていたものの、非道としか言いようのないまさに鬼畜の所業、、、そうなるだろうなぁという幻聴幻覚が表現されておりさらに恐怖が増す。

幹も怖いし枝葉も怖い、恐怖の作品。

久しぶりのジョデイ・フォスター観たさで行ったら想像以上の作品で、、、鑑賞後どっと疲れて劇場を後にしたのであった。
ボギーパパ

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