こまつな

モーリタニアン 黒塗りの記録のこまつなのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます


あれから20年。
私は当時4歳で、何も覚えていないし、学校も、親もこの事について教えてくれたことはなかった。毎年「その日」が来るとテレビでワイドショーがやっていて、見たり見なかったり。

この映画がどういうものなのか、モーリタニアがどこにあるかも知らず、ただ9.11の映画という情報しかないまま見た。

一番印象に残ってるシーンは、蛍光灯が切れかけてスラヒが興奮状態になるシーンで、すぐにその理由がわかるんだけれど、
そこからが本当にきつい。なんて言ったら簡単だけど、
私が呑気に、なんなら自分の都合で学校に行きたくないとかわがまま言ってた小中学生の間に、こんなことが行われていたんだと思うと背筋が凍る。
特殊尋問を行う方もどうかしてる。
(家庭を持ってる人もいるだろう、自分の父が、兄弟が、こんなことをしていると知ったら私は縁を繋ぐことはできないと思う。)
暴力、何時間も辛い体勢のままにさせる、大音量で流れる歌、視覚性的暴行、睡眠妨害、精神的に追い詰める発言、水責め
他にもたくさんあったんだろうな。
海の中に頭突っ込まれるシーンは私も息を止めてしまう。
スクリーンがいろんな光でチカチカするだけで変になりそうなのにそれが何時間も続くとか…
死んでしまう人がいるのも納得
「241番」のように

スラヒが全てを手紙にしてくれ、ナンシーが用事はないけれど足を運び、スラヒに手を重ねる。
「あなたを重んじる。1人にさせたくない。」
推定無罪からナンシーもやっと、スラヒを信じられる。きつかったと思う。

なかなかなんて言葉にしていいか分からず1日が経って、今もまだ感情が言葉にならない。
何かを話すには知らな過ぎる。
これが私が生まれた後に起こっていたこと。


グアンタナモ収容所は700人以上収容されていて有罪は内8人。
スラヒは拘束されてから14年と2か月。
裁判で勝った後も7年拘束。


アラビア語で許しと自由は同じ言葉だ。
僕はアメリカを憎んでいない。
許すのは自由になるためだ。

This is true story .
こまつな

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