エイプリル

劇場版 少女☆歌劇 レヴュースタァライトのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

劇場版のみの視聴です。
全然前情報なし、キャラクターのことを誰も知らずに観たんですが、それでも十分楽しめる映画というか、すごいものを観たな…という感じでした。
何が凄かったのかというと、徹底して「舞台の上で演じる」ことと「人生を生きること」をオーバーラップさせているところでした。こう書くとよくある展開ではあるのですが、スタァライトが終わればどう生きていけばいいのかわからない主人公を配置し、血の表現・死の表現を多分に入れることで「舞台少女たちの本気度」みたいなものを表現することに命を賭けているかのような映像は素晴らしかったです。こんなにも映像から溢れるエネルギーは旧劇エヴァ以来です。
単に映像表現が斬新で綺麗、という以上にそれぞれのファクターをきっちり少女二人の決着にむけているのもよかったです。
その分、主人公以外のキャラクターの葛藤みたいなシーンは若干ノイズ的にも感じました…が、おそらくこれは総集編などを観ておらず、キャラクターに愛着のない自分の方に問題があると思われます。

「求められるから演じなければいけない」という展開は、視聴者そのものを作品世界に取り込むメタフィクション的な演出も含めて良かったですし、だからこそ「レヴュースタァライトは終わり。次の舞台へ行こう」と視聴者も含めて誘いかけるメッセージは、作品を本当の意味で完全に畳んでいて素晴らしいです。

本当ににわかなのですが、ここ数年で一番気持ちいい余韻の残る映画で、また観たくなるような映画でもありました。
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