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竜とそばかすの姫のnorimのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
4.0
現代の歌う巫女の中村佳穂 x 細田・サマーウォーズ・守監督。期待しかなかった映画ですが、期待どおりの作品でした。

特に良かったのは映像。雄大な仮想空間のデザインとリアルの日本の田舎の風景の対比は細田監督おなじみの手法ですが、今回は一層それが映像として効果的だったと思います。特に川の描写はストーリーとも関連して素晴らしかった。

ストーリーは鈴という心にトラウマを持つ少女の成長譚。ネット中傷、そこに蔓延る無責任な正義、思春期の甘酸っぱい恋愛などのファクターを適宜織り交ぜながら、主題である“優しさとは何か”が浮かびあがる構成は見事だと思います。個人的にはバスで東京に向かう鈴とお父さんのLINEのやりとりがグッと来ました。

もちろん音楽は言うまでもなく最高。そのための起用である中村佳穂は期待以上に映画自体を支配し、恐ろしいまでのパフォーマンスの高さを披露している。どう考えてもこれは中村佳穂の映画である。

⭐️4にしたのは期待値が高すぎて、サプライズがちょっと少なかったところ。すいませんワガママで(笑)。

音楽と映画が大好きな人、全員にこの映画はぜひ観てほしい。裏切られることはありません。保証します。
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