あすとろ

竜とそばかすの姫のあすとろのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.0
この歌声で、you(U)を救う。

※ストーリーはFilmarksに記載されているため省略させて頂きます。
Twitterでも感想を投稿しています→https://twitter.com/a_stro_07/status/1423144185125695490?s=21

これほどキッパリと賛否が分かれる作品は珍しい気がしますが、映画館で観る価値はある作品でした。

個人的に「良かったけどハマれなかった」という人間でして…
まず良かったところを書きますね。
音楽による世界観の形成と観客の引き込みは本当に圧倒的で映画史の中で3本の指には入るくらい凄かったです。
作り込まれた映像、それに合わさる音楽、その曲へ命を吹き込む中村佳穂さんの歌声。
完璧に調和し合い高まってゆく、本当に鳥肌が立ちました。アップテンポな「U」に始まり、次第に落ち着いたトーンの曲へと繋がり「はなればなれの君へ」でバラード調の曲でクライマックスを迎えた時はやはり泣きました。
『美女と野獣』をベースにミュージカルタッチで物語を描きつつもネット功罪も描いていて考えさせられもしました。(題材自体の真新しさはありませんでしたが組み合わせが珍しかったのでそこは良かったです)
あと良かったところは日本人ならではな同調圧力のテーマも扱っていたところでしょうか。
その辺もネット功罪と絡めやすいですし、無理矢理感もなかったので普通に良かったです。

ただそれ以外が少しアレだったなぁと。
序盤〜中盤までの盛り上がり、話の高まり方は細田守らしく良かったのですが、後半の「無理やり詰め込んで終わりました感」が否めず…
キャラクターやUの世界観含め、色々と説明不足というのも感じました。
あと個人的にすずが途中しのぶ君に強がるシーンがあるのですが、そこが意味分からんくらい拗らせてる感じの言動で物凄いノイズでした。
「高校生なんてみんなこんなくらい情緒不安定」と言われたらそれまでですけど、「こんな拗らせ方してたっけな…?」と思えるくらい“面倒臭い女感”が強くてそこは受け付けれなかったです。
もうちょっとステレオタイプな主人公像でも良かった気がします。(まあその暗さが後半の主人公の成長描写に活きてくるので必要なのではあるんでしょうが…)
抜群に良いところもありますが、良くないところもあるので丁度中間のスコア3.0にさせてもらいました。

IMAX版だけでなく、MX4Dでの公開も決まった本作
是非お友達などと観に行って感想を語り合うような観方がオススメです。
少なくとも映画館で観る価値は大有りです!
是非映画館で!
あすとろ

あすとろ