Satomi

竜とそばかすの姫のSatomiのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.3
テクノロジーと田舎の融合/対比
アニメに染まらない演技
細田守の真骨頂!

テクノロジーでできることはどんどん増えるけれど、血肉の通ったコミュニケーションはリアルじゃないとできない。人を救うこともできないし、簡単に人を傷つける。
最後のシーンは、子ども一人行ったところで…と思われるけど、いいじゃないか。だって身体が動いちゃうんだもの。

誰かのために、とにかくできることをやらなきゃ、やりたいんだという気持ちになって初めて、母親の心とシンクロするシーンはかなり泣けた。すずちゃん、アンタいい子だよ。

バーチャルに対する警鐘めいたものを感じたな。
ネット弁慶になるな!その身さらけ出してかかってこいよ!という細田守の悲鳴みたいなメッセージを感じる作品でした。
全体のメッセージは良かったけど、人間関係のトゲトゲしさが随所に目立ったのが、残念。見ていて、心が寂しくなった。主人公の周り、口悪くて、簡単に人を攻撃する人ばかり。親友は上から目線で、実はそこまで主人公のこと信じてないし…演出にしては、ちょっとキツかったな…。
リアルとバーチャルの対比なら、リアルはもう少し温かくても…いいんじゃないかなぁ…。

今時の中高生は、あんな風に日々バーチャル上、見えない人の声に怯えて生きているのだろうか?だとしたら、キツすぎるよ。
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