shino

竜とそばかすの姫のshinoのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

役所広司の声が…ひたすら良かった…
細田守の淡白イケメンは相変わらずかっこよくて好きだし歌もよかった。

夏の入道雲もめちゃくちゃ綺麗だった。
細田守の静かで綺麗な夏の景色の使い方とか学園の素朴な日々の描き方はすっごいセンスあると思う。


でも
仮想世界とかビルの海に鯨は細田守映画以外の色んなもので既視感がありすぎてあまり新鮮じゃなかったし、
ベルとかクジラや周りの建物は綺麗だけどデザインが何故かちょっと貧相に見えた。

城のシーンは綺麗だけど、
美女と野獣のパロディが直接的すぎてもうちょっとひねりがあったら素直にパロディとして見られたかなと思う。

ベルの表情もディズニーっぽくて
それが余計にCGの粗を炙り出しちゃってた感じ…。

キラキラした変身シーンとかアバターのCGの綺麗さとかよりも、
あなたは誰?触るな!ってやり取り以外の
竜とすずが惹かれ合う理由に説得力あるエピソードがもっと見たかった。

Uのルールに定まりがなくてちょっと混乱した。

電子の仮想世界で廃れた城ってなかなか
ユニークだなと思ったし
課金して建てたのかな…
Aiの手下はなんだったんだろう…

城を火で燃やす、とかも仮想世界なのに物理的だなと思った。
運営でないのに正義マンがアンベイルをずっと持ってるのもちょっとどうなのと思っちゃった。

今のSNSのコミュニティってすっごい多様化してるからネット上の悪い奴ら以外にも
もっと他のアバター達が色んなもので楽しんでいる描写があってUの世界の広さを見せてもいいのかなと思う。


モブの声優の拙さがいちいち気になった。

あとあそこまで見てて周りの人がすず一人で行かせるのを見送るのはダメ……絶対有り得ない…普通の人間なら全力で止めると思うし、あれはどんだけ架空の話として美化されても女子学生の役割じゃないと思う。
相手は話の通じない男の大人だし…。
それでDV野郎がすずの真っ直ぐな眼差しだけであそこまで怯むのも何で?って思ったし、ちょっと無理あるかなと思う。

DVとか誹謗中傷とか結構身近でシリアスな題材だから
どうやって作中で答え出すのかなと楽しみにしてたら
そういう嫌なもの露骨に見せられただけでスッキリもせず特に救いもなく、今後身バレしたすずや親に逆らった竜がどうなるのか、不安を残されたまま終わったって印象が強い…。

サマウォは顔を知らない世界中の人が仮想世界を通して一つの勝負に団結するっていうネットの良いところをわかりやすく活かしてて、爽快で楽しかったから余計に比べてしまう…。

途中で見るのやめたんだけど
なんとか持ち堪えたら最後まで見れた。

思ったより悪くなかったけど
大衆受けしそうな要素とかは持ってるのに所々なんか惜しいと感じてしまった。

脚本はサマウォと時かけの人に戻してほしい。

でも細田守監督の作る雰囲気は好きだから、また次の作品で頑張ってほしい。
shino

shino