パッと見えた景色は美女と野獣の相似形。
それも活字で読むボーモン版でもコクトーの映画版でも無く、ディズニーのアニメ版。
下手を打てば換骨奪胎ともならずひしゃげる羽目に陥る危うさ。
少しハラハラしたが、物語は重層的な広がりを見せ伏線もスマートに回収された。
事前に思っていたより何倍も良い作品だった。
長く日本のアニメに親しんできたが、こうして物語に私小説的テイストを混入して大団円に持ち込む手法は大切にしてもらいたい。
歌舞伎や能狂言、落語、講談に通ずる伝統芸へと昇華する可能性すら感じる、日本アニメの今日この頃である。
