寝るのだいじ

竜とそばかすの姫の寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
2.1

このレビューはネタバレを含みます

この監督いつも不幸で孤独な女性ばかりなので苦手だったが、音楽に常田大希さん(millennium parade)が関わっていると知って観ることにした。

細田守さんは常に「大人は動いてくれないか情報弱者で役立たず、でも非力ながらも女子供が抗おうとする」を描きたいのかな。
子供を守ってくれる大人を描いてもいいのに。子供の抗い方も敢えて正攻法じゃないものにして、結局助けられた?その場凌ぎで善人ぶる主人公が多くみられる。

不明瞭なこと
·主人公が作詞作曲がなぜ上手いのか、日々歌詞を書き留めていたり、あの声量を出せる練習や習慣だったりが描かれていない。
·引っ込み思案で自信無さげな主人公が、現実世界でビーストを救う義理も勇気もあると思えない。
·なぜ主人公だけ美人なビジュアル?もっと人じゃない形でもいいはず…

ちょこまかと入ってくる恋愛要素が、年相応の思春期を描きたいのかもしれないが、それならそれ専用で作品作ってほしい。音楽パートやU世界のパートが多いのに、急にどうでもいい現実入り込んできて混乱する。

カヌーの子が「応援してくれる=俺のこと好き?!」と解釈するのは年齢的に相応だけど、口に出しちゃうのが、大人が理想とする高校生だなーと萎えてしまった。

ポリスメン?がアバターの姿を消させる意味がわからなかった。Uの利用権限を奪うならともかく、全世界に生身の姿をさらすことが制裁と思っているようで、それだとUは単なる無法地帯のスラムということになる。

「美女と野獣」がモデルになっているとあるが、美女はさておき野獣が野獣になった所以が本家と大分ずれており、単にネットで言う「オタクに優しいギャル」の構図になっていた。
本家だと野獣は私利私欲で暴れたせいで制裁として魔女に野獣にされていたし、醜い見た目のせいで心を閉ざす。本作の獣はただ家族を守っていた反動で心を閉ざしたので、「心を閉ざす」にしても重さとかベクトルが違う。

とにかく何がしたいの?と、繋がらないシーンのつぎはぎを観せられているようだった。