手紙、写真、路線バスなどの道具立てから、DJモザイク、海辺のタイタニックごっこなどの演出までが「昔の映画?」っていうくらいにベタ。
ベタをベタとわかっていながら、あえてベタのままやり切ってしまうところが潔くてかわいらしい。
この愛らしい映画に主演のリー・ペイユーのルックが見事にハマってた。
チェン・ユーシュンには、ズレていて冴えない人をすくってくれる温かな視点が常に感じられる。本来なら笑わせるはずのシーンで、涙が出そうになるのはそのせいだ。
代表作『ラブ・ゴーゴー』もそんな人情味ある作品だった。
失われたバレンタインが一年後にかけがえのないバレンタインとして巡ってくる。ベタだな、と思いながらも不器用な二人だったからこそ起こり得た小さな奇跡に、ほっこりとさせられた。