mimitakoyaki

1秒先の彼女のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

1秒先の彼女(2020年製作の映画)
3.9
いつも人より1テンポ早く、せっかちで落ち着きのない女性シャオチーと、逆に人より1テンポ遅い不器用な男性の話です。

はじめは郵便局で働き忙しなく動き回るシャオチー視点で描かれ、七夕のバレンタインに奇妙な現象が起き(台湾ではバレンタインが七夕にもある!)、後半は別の人の視点に変わる事で、同じ場面がまた違って見えてきます。

前半の伏線回収と答え合わせを後半にやっていくと言う構成で、何気に見ていた出来事の奥にあった思いやエピソードがわかってくると、せっかちなシャオチーには記憶に残らないような小さな出会いも、運転手の青年グアタイにとっては違ってて、ずっと探して思い続ける純粋さが美しくもあり切なくもあり、2人の不器用さが愛おしく思えました。

まあでも、やっぱり見てると、グアタイの行動でそれはアカンやろ…と引っかかるところもあり、見てる人間はグアタイの気持ちも背景も知ってて感情移入できるからまだ見れるけど、普通に考えたら、全然知らん人にそれされたら恐怖でしかないやろと思ってフクザツな気持ちになったことも確かです。

でも、辛い毎日から救ってくれた人をずっと思い続けるその想いの深さや、知らない間に誰かの生きる支えになってたりするのが素敵でした。

また映像も海に向かうバスを映したシーンはとても美しいし、世界が止まってしまった時の映像はCGかと思いきや、メイキングを見るとちゃんと実写でやってて驚きました。

台湾の指切りげんまんのやり方が韓国と同じだったので、アジアの文化の繋がりも感じました。

台湾映画、良いなあ。

9
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