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博徒外人部隊のRenkonのレビュー・感想・評価

博徒外人部隊(1971年製作の映画)
3.5
てぃんさぐぬ花揺らす、男たちの挽歌。
本土復帰前の沖縄を舞台に、新たなシノギを求め進出してきた本土のヤクザと、それを快く思わない地元ヤクザとの血の抗争を描いた作品。
10年の服役を終え久々にシャバの空気を吸った郡司(鶴田浩二)は、かつての敵工藤(安藤昇)や舎弟たちを引き連れ、未開の地沖縄進出という大博打に打って出る。
今作は主演の鶴田浩二、モノホンの風格漂う安藤昇のカッコ良さが特に際立っており、彼らのハードボイルドな魅力にクラクラ酔いしれてしまう。
今回この作品を観れたのはラピュタ阿佐ヶ谷さんの「渡瀬恒彦狂犬Nights」という激アツなイベントによるものなのだが、若きモテモテヤクザ渡瀬恒彦は狂犬次郎(ジールー)とかいう異名の沖縄ヤクザに早々にたっくるされてしまい、狂犬渡瀬のまさかのヘボさに会場が嘆いた。
本土の奴らにシーサーの如く牙を剥ける沖縄ヤクザのナチ(若山富三郎)も彼なりの仁義に従っており、中々にいい漢。
そんなナチらと抗争しつつも、着実に沖縄でシノギを削っていく郡司たちだったが、やがて本土で勢力を拡げる大東会も沖縄の利権に目をつけ、上陸してくるのであった。
郡司たちに対し「本土の奴らに加勢するんか?」と聞くナチ。
それに対し郡司は「いや。本土のやつらには加勢しねぇ」「俺のダチはあいつらに昔組を解散させられちまったんだ(工藤のこと)だから仲間にはなれねぇよ」と返す。
それに対し「俺のダチもあいつらに10年間無駄にさせられちまったんだ(郡司のこと)だから仲間にはなれねぇなあ」と返す工藤。
2人の熱い友情に目頭が熱くなった。
それに対してナチが「違った人生歩んでたら、お前らともいい仲間になってたかもな、、」と言い残し部屋を出るのもまた良い。
(ちなみにこの後襲われるナチが、体操選手ばりのアクロバティックジャンプを披露するシーンには思わず笑ってしまった)

この映画に関してはジョニートーっぽいなーっと思うシーンが沢山あった。特にラストの少数人で攻め込む襲撃シーン。
正にやくざ者がやくざとしての美学、生き様を貫いているシーンで、グラサンかけてる鶴田浩二がこの時だけアンソニーウォンに見えた。

最後まで楽しめたけど、セリフの妙、話の展開などは、同じ沖縄ものでも沖縄ヤクザ戦争の方が断然おすすめです。
勿論狂犬渡瀬の活躍ぶりもね。

@ラピュタ阿佐ヶ谷
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