コロナ禍での撮影もあり、ワンシチュエーションで描かれるスタイルは、演劇そのもの。高速道路の想像シーン以外、セットを出ない徹底ぶり。
メイン3人の熱演あって、やや強引な展開こそあれど、尺が短いこともあり最後まで引き込まれる。ただ下世話な展開も多く、意外にも見る場所と人を選ぶ。
女優間のやりとりに本気さがうかがわれるのは、堤幸彦監督の演出力のなせる技。一方、話し方等に不要に思える遊びを入れて上滑りする点は、いつもながらではあるが、特にこの尺では浮いてしまい評価できない。三人がシンクロを感じる点も、甘めにみても厳しい。
が、ラストシーンの奇天烈さは個人的には悪くなく、この評価とする。「世界で一番美しい夜」を思い出した。姦しい(かしましい)という漢字を読めなかったのは恥ずかしや。