パルパティーン

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODYのパルパティーンのレビュー・感想・評価

4.2
3年連続でクリスマスに映画を見ていると思うともう何しているんだろうと思うが、映画を見れているのでそれはそれで幸せである。ホイットニーヒューストンは名前を知っているだけであり、詳しくは知らないのでこの映画で知れると思って見に行った。

まず歌声に乾杯である。魅力的な声で力強さのある歌声は心を動かされた。最近こんな力強くて違いのある歌手いるのかなと疑問に思った。それくらい特徴的な声である。彼女からはこの力強さと「自分」という軸をブレさせない強さを学んだ。自分は自分であり他人は他人である。

スーパーボウルでの国家斉唱のシーンで涙がこぼれた。勝手に大粒の涙が溢れてきて自分でも驚いた。それくらいこの歌声に感動した。初めて彼女の歌声を聞いたのにこぼれるということは、歌は何かしらを与えてくれたり示してくれることもある。それくらい心を動かされた。

目に見えている部分はキラキラしていて輝いて見えるけど、裏側は苦労や混沌などいろんな黒い部分があったのはわかる。世間やファンたちの期待に応えることのしんどさというのが目に見えていた。ドラッグやスキャンダルなどで転落していくところは心が痛かった。有名になることで得るものと失うものがある中で、彼女は失うものが多かったと思う。

頂点を極めた後の変化を「下降、転落」と捉えるのか「次のステージ」として捉えるかで変わってくる。彼女は世界を取った。年齢が進んでいくにつれて体や喉の変化もあるため頂点を取った時の自分と比較するのか今現在の自分の全力をぶつけるのか。この考え方をするだけで彼女の心の中も変わったかもしれない。スターってどうしてこんなにも孤独なのだろうか。世界中に感動や希望を与えてくれたのに、本人は悩み苦しむ。多分だけど一般人には彼らの悩みを理解することができないと思う。なのでみんな孤独を選んでしまうのかな。

このような伝記・音楽映画は映画館で見るに限る。初めてのホイットニーヒューストンの歌声を映画館で聴けたことが最高の体験となった。ホイットニーヒューストンという人物を演じきったナオミアッキーが素晴らしい。彼女の演技がよかったのでこれから楽しみである。

エンドロールで実際の映像が流れた時に初めて顔を知った。偉大なスターがいたんだという認識ができた映画であった。


2022年75本目