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ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODYのmofaのレビュー・感想・評価

4.0
昔から、ホイットニーの楽曲は
よく聴いた方だ。
あの声域の広さや、
感情を揺さぶるような歌声は、
唯一無二だよな~といつも思っていた。
 45歳という若さで死去、
晩年はスキャンダルまみれだった。
 2018年製作のドキュメンタリーは、
本当に苦しくなるような内容ばかりで、
こういうドキュメンタリーは、
本当に観たくないと思った。
 死んでもなお、こんな風に、
彼女の恥部をさらけだされて、
同情しかなかった。
 ホイットニーは死んでしまったのに、
何故、この人達は、
彼女について話せるのだろうかと、
人間不信になるレベルだった。

今回の作品も、落ち込んだら嫌だな・・・と思ったけれど、
脚本家が「ボヘミアンラプソディー」と同じ方だったので、
どんな風な内容になっているのかと思い、
観てみた。

本当に、凄く良かった。
ホイットニーのパフォーマンスの再現も素晴らしいし、
知らなかった真実も、きちんと描かれていた。
 ホイットニーの悲惨な出来事も描きつつ、
彼女にもあった幸せな瞬間も、
しっかりと描かれていた。
 ホイットニーのあの可愛い笑顔の裏には、
きちんと幸福もあったんだと、
そんな風に思える作品となっていた。
 
ボディガードを一度は断って、
ケビンコスナーだと聞いて、
すぐに翻してみたり、
とってもチャーミングだ。

時代が今のようで、
ロビンとの関係が円満に続いていたら、
どうだったのかな・・・
とか考えてしまうけど。
そういう意味では、
父親や兄弟にも恵まれず、
時代にも恵まれなかったのかな・・・
と思った。

 けれど、ホイットニーは自分の逆境を、
歌に込めてきた。
 彼女の壮絶な人生が、
彼女の才能の一部だったのだと、
そう納得させるしかないのかな。

 今聴いても、ホイットニーの歌声は、
身震いする。
 
この才能のために、
失うものも多かったのかも知れないが、
彼女の苦しみや悲しみ・・
そのすべてを削ぎ落して、この歌声だけが
未来永劫、残っていけばいい。

主演を演じたナオミ・アッキー
歌声は、ほぼホイットニーのものらしいが、
まるで本人が歌っているような迫力があった。
(ナオミ・アッキー自身も歌はお上手みたいです)

【与えられた才能は、正しく使って】
お母さんから、ホイットニーの教えの言葉。

【(ドラッグは)神と歌うためのハシゴ】
これに対して、クライヴはこう返答します。

【それは違う。君は初めて会った時から、
ハシゴなしで、神と歌ってたよ】


ホイットニーが好きな人には、必見。
聴いた事がある人も、是非、
観て欲しい秀作だ。
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