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MONSOON/モンスーンのlololoのネタバレレビュー・内容・結末

MONSOON/モンスーン(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

主人公がサイゴンにやって来て、なんとなく孤独を抱えたまま街を歩き観光をし、(多分)出会い系サイトで知り合った青年と逢瀬をして、ハノイまで行って戻って来て、兄夫婦を出迎える……という大きな出来事の起きない静かな話。主人公がどことなく街で浮いている雰囲気、優れた体躯の重心がずっと高いままなのがリアルだなあと。(明らかに、バーとかに居る欧米人みたいな人の方が街に馴染んでる。主人公ほどの葛藤や悩みを街に抱いてないからだろうか。)

台詞よりも、環境音の方が印象深い映画だった。臨場感がすごい。ベトナムASMRみたい。バイクや車の走る音・クラクション、肌が擦れる音や電車の音、最後のバーカウンターでお酒を入れる音がやけに前に出ていたから、「主人公の孤独感」を引き出すために、全編通して環境音を強調していたんだろうなと思う。
ほとんどBGMも無くて、あっても作中の店で流れてる曲か、最後の15分くらいでようやく少しずつ流れて来る音色くらい。やかましい街の景色ばかりのはずなのに、どこか静かな映画だという印象はそのせいか。最後に流れたシューゲイザーっぽい音楽、いいなと思ったけどあれは映画オリジナルの曲なのかな。
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