恐ろしく良くできた映画なのに、恐ろしく人が入ってない稀有な映画。
え、なんでこれを今まで観てなかったの？って後悔するところだった。危ねぇ。
激しく熱狂するほどテンションの高い映画ではない。
けれど、人生に300%有益だと思う。
いやマジでなんでこんなに人入ってないの。
まず、普段から映画を見て「考える」ことをしてる人、できる人であるなら見て損はない。というか見ないのは正直勿体ない。
基本的に画面で伝えてくる比率が多いのだけれど、ちゃんと構図を使ってわかりやすく伝えてくる。(ある種、模範的、のようにも見えた)
しかもそれが時間を追うにしたがってカタルシスを与えたくれるのは心の底から好き。
時間の割にはボリューミーで長く感じる。
話はポンポンと進むけど、ワンシーンごとの時間の流れがゆったりしているからなのかなぁ、と一緒に見た人に話したりしてた。
しかし、そもそも画面構成にセンスしかないので「これをまだ観続けられるのか！」という嬉しさがあった。
流石にこの感覚は生まれて初めてだ。
ラストは観客に委ねる形となっている。…ように見えて、そもそもそこがこの映画の主軸ではないように思う。
これは、主人公である彼の物語を、知らない誰かの人生の一部を見る映画である。
いやもうほんとに、映画つくろうかなって思ってる人がいたら是非観て欲しいな。
