藍住

MONSOON/モンスーンの藍住のレビュー・感想・評価

MONSOON/モンスーン(2020年製作の映画)
4.0
見知らぬ故郷になりつつあるベトナムで孤独を感じながら現地で生きる人達と触れ合い、空白の時間を埋めていく。
国を出たという後ろめたさやどうしようもない寂しささえも掬い上げて、なんて穏やかで優しい映画なのだろう。
ラストシーンが良すぎて泣いた。

キットが列車の中で白人の男性に話しかけられるシーンが凄かった。
こういうシーンをサラッと入れられるの本当に凄いと思う。
他者にラベルを貼られるという苦しみ。
全く他人事ではなかった。
皆んな目には見えない「過去」を背負って生きている。
当たり前だけどつい忘れがちなことを思い出させてくれた。
じんわり染みてくる映画だった。
良かった。

ヘンリー・ゴールディングの演技が素晴らし過ぎるし彼の繊細な演技を全部カメラに収めるぞ!の熱意も伝わってきた。
完璧過ぎる。
場面(この映画で言うと過去)を再現するのではなく俳優の演技で魅せる映画だったのでめちゃくちゃ満たされた。
私はこういう映画を愛している。
藍住

藍住