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カナルタ 螺旋状の夢のbowcatのレビュー・感想・評価

カナルタ 螺旋状の夢(2020年製作の映画)
4.3
エクアドルのシュアール族
アマゾンに住む原住民
音楽もナレーションもなく
淡々とセバスティアンを追う

彼らのなまの営みの全体像が浮かぶ
その中心は森とヴィジョン
ヴィジョンとはアヤワスカなどで
覚醒状態になり見る未来像
マイキュアなる呼び名の似た薬も

それはネガティブな心を消して
ポジティブだけになる幻覚作用
意識は遠のいていきトリップ
だから見る夢は、自分がこうなりたい
そんなものが、浮かぶのかも知れない
彼はそれが現実になると言う
でも現実にそうなるために努力する
自分でするんだよね
そこがカッコいい

息子が大学を卒業するヴィジョンを見て
それが現実となり、息子は医学の道を
セバスティアンの父は村のシャーマン
セバスティアンも薬草を見つけては自分で試す
自分がモルモット
だから言葉にも重みがある

アマゾンでの暮らしで学んだことも
全て経験で得たこと
なんだそんなこと?と言うようなことも
彼は自信たっぷりに語る
全て経験で得たから

それに比べて、何倍も多くを知る日本人
知識をあれだけの自信を持って語れるだろうか…
特に若い人はスマホで得た情報ばかり
説得力がない
でも知っている、悪いことではない
よく分からないけど、何かおかしい

ジャングルと共に生きている
便利なものは活用するが
ジャングルで手に入らないものを
得ようとはしない
先祖が生きてきた誇りなのかな?

人間の歴史にしてみれば
現代社会の方がほんの一瞬で
その前の電気もない暮らしが長々あった訳で
そんな過去のことなんてどーでもいいんだけど
軽んじるのは間違ってるような気がした
セバスティアンさんには心棒が通ってた
素敵な人だった
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