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U・ボート ディレクターズカットのpsychocandyのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

「潜水艦ものにハズレなし」という定説があるそうですが、本作はまさにそのとおりの面白さでした。

すでに多くで語られているように「潜水艦もの」が他の戦争ドラマに比べて面白いのは、その密室性ゆえの極限の緊張感とそこで繰り広げられる濃密な人間模様に惹き込まれるからでしょう。

ドイツの巨匠ウォルフガング・ペーターゼンによる本作品は、1982年に劇場公開されましたが、こちらは劇場版で大幅にカットされていた部分を追加した、3時間を超えるディレクターズ・カットの長尺版(208分!)。大作仕様なので、観る前から尻込みしてしまいそうになりますが、実際には最初から最後まで緊迫した展開が続き、全くダレることはありません。

そして、本作を戦争映画における唯一無二の傑作たらしめているのが、瀕死の状態から奇跡的な生還を遂げた英雄たちに、最後の最後に待っている あの容赦のないラストでしょう。戦争に「英雄」もクソもない、ということでしょうか。とはいえ、最後にこの仕打ちは、正直、凹みました。非情過ぎる。

「潜水艦もの」という狭いジャンルに留まらず、「戦争映画」の中でも屈指の名作と呼ぶに相応しい、素晴らしい作品でした。必見です。
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