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アウシュヴィッツ・レポートのHKのレビュー・感想・評価

3.5
第二次大戦末期、アウシュヴィッツ収容所からの脱走に成功した2名のユダヤ人の実話。
これによって初めてアウシュヴィッツの真の実態が世に明らかになります。
原題は珍しく邦題と同じで“The Auschwitz Report”。
スロバキア語の原題は“Správa”(行政?)。
スロバキア、チェコ、ポーランド、ドイツの合作です。

この絶望的なアウシュヴィッツの光景や久々に聞いたゾンダーコマンド(ユダヤ人によるユダヤ人の死体処理係)という言葉から『サウルの息子』を思い出しました。
既視感ある光景ながらもやはりいたたまれない描写が続きます。

2人は命からがら脱出し国境越えに成功、ポーランドの赤十字の役員にアウシュヴィッツの真実を訴えますが、収容所には人道的支援として多くの物資を送っているはずだとなかなか信じてもらえません。

ようやく赤十字の役員を説き伏せ、さらに二人は毎日大量虐殺が続くアウシュヴィッツを一日も早く空爆して地獄を終わらせて欲しいと訴えますが・・・

結局、空爆はされずこのレポートが公にされたのもその7か月後、それでもこのおかげで12万人にユダヤ人が助かったとか。
戦争がもっと長引いていたら悲惨さはさらに増していたということです。
しかし、この二人の脱走が成功するまで、連合軍や他の多くの国もホロコーストの実態を全く知らなかったとは。
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