もちもち

スペンサー ダイアナの決意のもちもちのレビュー・感想・評価

4.7
クリステンスチュワートは本当に天才だと思った。想像以上に胸が痛くなるのに、もっとずっと見ていたいと思ってしまったことすら、なんだか申し訳ない気持ちになった。こういう好奇心みたいな意識は、結局ダイアナを苦しめた世間の目と本質的には変わらないんじゃないかと思えてしまって…

映画としてはたったの3日間の出来事だけど、ダイアナのパーソナルな精神世界を映し出して進むのが面白い。閉塞感を感じさせる音楽や、ずっと曇りの空、寂しい画面のトーンも相まって、観客まで息が詰まる感じがする。一方で、息を呑むほど美しいクリステンスチュワートの表情や仕草と、ダイアナだけが纏うカラーの素敵な衣装などの画力が素晴らしいせいで、なおさらダイアナの孤独が伝わるような気がした。

すぐ周りには悪い人なんかいなくて、みんな愛情があって優しくてダイアナを心配に思っているのだけど、つらい時ってきっとそれに気づくことは難しいし、だからこそ孤独感も強まるのだなと思う。

悲しい感じに書いてしまったけれど、本当に見に行ってよかったと思う今年の一本になった。
もちもち

もちもち