Layla

スペンサー ダイアナの決意のLaylaのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ダイアナ妃がアン・ブーリンと自分を重ね合わせているのが興味深かった。日本の庶民である自分なんかにとってはアン・ブーリンもヘンリー8世も教科書上の人物だけど、厳密に同じ宮殿ではなくとも地続きの世界で同じ役割を押し付けられて生きているダイアナ妃だったら、そりゃ幻覚も見るかも…。

クリステン・スチュワート演じるダイアナ妃は本当に綺麗で、英国王室の伝統を体現する形でのお姫様の姿が求められることは理解できなくもないけど、鑑賞しながら段々と猛烈に腹も立った。英国王室だから、歴史と伝統があるからと言ってこんなことが許されていいのか。人権よりも大事なものなんてないだろうと。王室の人権軽視問題というのは日本でも遠くない話だけど、もう現代と合わないような伝統は見直そうよ、と思った。

ダイアナ妃の最期を知っているため、どんな映画の終わり方でもハッピーエンドという気分にはなれないけど、こういった映画が作られ、きちんと上映されるところに意義があるなと思った。
といいつつ、執拗に彼女を追い回したパパラッチに殺されたとも言われるダイアナ妃。この映画を鑑賞して、クリステン・スチュワートが再現する美しいダイアナ妃や大画面の英国王室の美しさや物珍しい伝統や風習にウットリすることも、結局は「見ること」の加害性に加担しているとも言えるのだろうなーと、先日鑑賞した「Nope」を思い出したり。
Layla

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