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スペンサー ダイアナの決意のagatheのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ダイアナとチャールズの結婚式からどうしてこの人はチャールズと結婚したんだろう?と思っていた子供の私。
結婚式から幸せそうに見えないし、ベストマンのAndrew王子やエドワード王子のほうがかっこいいのになぜこのおじさんと結婚?と思ったわけですよ。
その後ウィリアムが生まれ、ヘンリーが生まれ、それでも離婚。
やっぱり幸せじゃなかったんじゃん、と思った人の物語。
見たいなと思っていて、悠長に構えていたら木曜日で終了と知ってあわてて行ってきました。
ユナイテッドシネマ新潟で鑑賞。

ダイアナは多くを望んだわけではないのでしょう。
ただ愛している人に愛されたかった。
それだけなのに、それがむずかしくてかなわなかった。
これが王族でなく、一般市民ならよくあることだよ、で済む話が、
あの世界では生命線を絶たれたに等しいのだと見せつけられたように思う。
チャールズの愛情がなければ王族というシステムはただの牢獄。
自分で洋服を決めることも出来ず、おつきの人も選べない。
わたしにどうしろというの?というダイアナの悲鳴が聞こえてきそうな「静寂」
拒食症になる理由、鬱になっていく理由、そんなものしか存在しない生活。
カミラと同じアクセサリーをダイアナに送るチャールズの無神経さ。
なんというか、スノッブの冷たさ前回のチャールズには嫌悪感すら感じてしまって、国王になった今の公開でいいのか?って思ったり。
あのダイアナを拒絶しつつ、理解をしようとしている僕はいい夫、と言わんばかりのビリヤード台を挟んだダイアナとの会話で、嫌な奴ナンバー1になってしまった。
理解しようとしないなら、そうすればいい。あの偽善的な態度はなおさらダイアナを傷つけただろう。
だいたいいくつ年の差があったと思っているの?若く、王室を知らないダイアナにあの冷たさはありえない。
人を一人幸せにできずしてイギリスを治めることができるのか?
そこまで思うほどチャールズを冷静に演じたジャック・ファーシングが上手いのかもね。
チャールズが嫌な人な分、ウィリアムが健気で健気でどうしようもなくかわいくなっていく。
国王になるのは決まっている、と言える彼はダイアナやいろんな人たちに「正しく」愛されている結果だと思う。
ヘンリーもあの年で自分の立場が分かっているしね。
親子3人での夜中の兵隊ごっこ、わすれられないシーンになりそうです。

マギーは実在したの?ダレンは実在したの?
あの孤立無援の中で彼女の気持ちをわかる使用人がいたことを本気で願うくらいダイアナが痛々しかった。
Spencerも王族ではないけれども貴族の家系。
王族までのしきたりなどはなくても、貴族としての誇りは彼女の中で熾火のように残っていたのだろう。
その熾火の火を再度起こして生きていくことを決めたのだろうけれども、ね。
彼女に幸せな時間はあったのかしら?
そんな風に思う作品となりました。

そうそう皆さんおっしゃっているように、クリステン・スチュワートがすばらしいです。
あの首の傾げ方、上目遣い、うぁー、ダイアナだ!って思っちゃういい演技だったと思います。
滑り込みでも映画館で見れてよかった映画となりました。
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