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ホロコーストの罪人のan0nym0usのネタバレレビュー・内容・結末

ホロコーストの罪人(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

『ホロコースト』
燔祭は歴史の中で、違う意味に姿を変えた。

ホロコーストだけではない。戦争史などに見え隠れする、様々な国が犯した蛮行の記憶。その殆どは、起きてから1世紀も経っていない…まだ新しい歴史の一頁。

だとしても、80年弱という時間で…世代は変わっていく。日本で言えば、被爆者たちはかなりの高齢になり…焼け野原は巨大なビル群に姿を変えた。それは傷跡が癒えていくようでもあるけれど、記憶が薄れて…消えていってしまうという事でもある。

ノルウェーがこの作品で、罪の記憶を残していくように…私たち日本人にも、残すべきものがたくさんある。

罪だけでなく、再起の記憶も残したいよね。
間違った時、壊してしまった時、それと向き合う時のために。

映画も、その手段のひとつになるのだと…
そんな事を、今さらながらに実感した。

そして、描き方も様々だな…とも。

人の残虐さや愚かさを思い知らされる作品。

人と人との繋がりを想わせる作品。

事実を捻じ曲げることも、人の印象を操作することもあるのだから困ってしまうのだけれど…近寄りすぎても、俯瞰しすぎても…片側だけでは足りないということも。

ホロコースト題材の作品は多くて、似通って感じてしまったり、他と比較してしまったりもするけれど…ノルウェーの内側に残る傷跡として、知ることができてよかった。

サイズ感が違うだけで、イジメとその矛先が自分に向かないようにと、それに加担してしまう…そんな姿でもあるよね。

自分の身体を切り売りしてるようでもある…

どちらにせよ後悔する結末しか待っていなくて…粛々と、それを待つような作品だった。
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