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デンジャー・ゾーンのkuuのレビュー・感想・評価

デンジャー・ゾーン(2021年製作の映画)
3.6
『デンジャー・ゾーン 』
原題 Outside the Wire.
製作年 2021年。上映時間 115分。
『キャプテン・アメリカ』シリーズのファルコン役で知られるアンソニー・マッキーが主演と製作を務めたSF戦争アクション。
個人的にはテレビドラマ『オルタード・カーボン』でアンソニー・マッキーに嵌まった。
マッキーがリオ大尉、テレビドラマ『スノーフォール』のダムソン・イドリスがハープを演じた。監督は『大脱出』のミカエル・ハフストローム。Netflixで2021年1月15日から配信されとります。
どうでもエエことですが、作中、リオ大尉(アンソニー・マッキー)が走るときの腕は、『ターミネーター2』(1991年)のサラ・コナーとT800を追って走るターミネーターT1000の姿に似てた。
あと、何の因果か、今作品中では、親ロシア派のテロリストが15年後の未来(2036年)にウクライナをロシアに併合しようとする様子が描かれてるけど、実際にロシアのウクライナ侵攻が起きたのはその約15ヶ月後の2022年2月のこと。

戦争が続く近未来。
ドローン操縦士のハープは、2人の兵士を犠牲にして38人の兵士の命を救うが、命令に背いての行為だったため、再教育として紛争地帯へ送り込まれる。そこで彼の上官となったリオ大尉は、軍の最高機密であるAIを搭載したアンドロイドだった。
核攻撃を阻止する極秘任務に就いた彼らは、死と隣り合わせの危険な戦場へ乗り込んでいくが。。。

今作品の大半はSF映画としてはよく機能いていると個人的に思います。
巧みな演技に、いくつかのキャラは戦争映画の中で成長が垣間見れるし、戦争映画の中でのモラルも示されてた。
また、まともなCGIのアクションは時にエキサイティングでした。
ただ、台詞がやや淡白やったし、脚本がやや平凡かな。
また、見てる側が唸るようなひねりがないし、論理的でない場面もあるのは否めない。
それにエンディングが自分を見失って急ぎ足で終わってしまう焦りが見えたのは残念かな。
お話は、兵士とロボットの軍隊が存在する近未来的な戦場で、反乱軍と親ロシア軍との戦いが繰り広げられる。
核兵器のコードを入手した戦争屋ヴィクター・コヴァル(ピロウ・アスベック)を阻止するのが任務。
しかし、任務に深入りすればするほど、すべてが見かけ通りではないことを知ることになる。
人間と機械(あるいは人間対機械、その逆)というテーマは、『ターミネーター』から『アイ,ロボット』のような最近の作品まで、またそれ以前の作品まで、SF映画が誕生して以来、常にテーマとなってきた。
そして、このNetflix作では、このテーマが新鮮に映し出され、平均以上だが特別ではない、ちょうど中間的な作品となっていると個人的に思います。
異国の地で民主主義を不安定にしようとする、典型的な帝国主義的未来アメリカの戦争の渦中で始まるこの作品は、人間とロボットが殴り合う、全砲火の戦争の映像を存分に見せてくれるが、悲しいかな、大きな人物描写はなく(成長は垣間見れるが)、主人公と彼の苦境、そして彼が巻き込まれる容疑者に無関心のまま終わる。
しかし、それを補うように、平均よりも複雑で多層的なプロットが用意されており、最後まで注意を引きつけることができる。
主演のアンソニー・マッキーは、超有名人とは云えないまでも、彼なりのスター性を確立しており(個人的には大好きだ)、この不完全ながらも価値のある作品は、間違いなく彼のベルトに刻まれる無害な1ページとなるにちがいない。
何年かしたら小生の阿玉の中で、ドラマ『オルタード・カーボン』とごちゃ混ぜになってそう。
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