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ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う ディレクターズカット版のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.6
とある街でバーを営む母(大竹しのぶ)と2人の姉妹(井上晴美、佐藤寛子)。
ある日、妹のれん(佐藤寛子)が、“何でも代行屋”の紅次郎(竹中直人)を訪ね、父の散骨時に落としてしまった形見のロレックスを捜してほしいと依頼する。
少々疑問を感じながらも、天使のようなれんにほだされ、とうてい見つかるとは思えない依頼を引き受ける次郎だったが…。
「夜がまた来る」の石井隆監督が、93年の「ヌードの夜」でヒロイン“名美”に運命を狂わされた男“紅次郎(村木哲郎)”のその後を描いたハードボイルド・ムービー。出演は紅次郎役に前作に引き続き竹中直人、ヒロインれんにグラビア・アイドルの佐藤寛子。また、大竹しのぶ、井上晴美、宍戸錠など石井作品経験者が脇を固める。
最初の財産を巻き上げるのに失敗して殺した老人を処理するシーンのブラックユーモアたっぷりの出だしから、老人セレブをカツアゲして暮らしている大竹しのぶ、井上晴美、佐藤寛子の極悪3人家族や東風万智子演じる夫を亡くした女刑事を交えた複雑なドラマに惹きつけられます。
大竹しのぶと井上晴美が歌うのに合わせて佐藤寛子がセクシーなポールダンスを踊るシーンも魅力的です。
忌まわしい業を背負ったヒロインを演じた佐藤寛子のキュートでセクシーでどす黒い魅力の演技も、美しくもセクシーなヌードや激しいラブシーンも含めて、魅力的です。大竹しのぶ、井上晴美の強烈な悪女っぷりも、魅力的です。
傷ついた女への優しさゆえにトラブルに巻き込まれる心優しいハードボイルド・ヒーローを竹中直人が、熱演しています。
大竹しのぶたちと竹中直人が、宍戸錠の死体を処理するシーンの悪夢的なドラマ展開や雰囲気に石井隆の新しい面白さがあります。
夏木マリの「絹の靴下」が、極悪親子の心情を巧みに表現しています。
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