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プリンセス・ダイアナのBOBのレビュー・感想・評価

プリンセス・ダイアナ(2022年製作の映画)
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ダイアナ元皇太子妃の半生に迫るドキュメンタリー。🇬🇧💂

「この国の問題は、王室を重要視しすぎていることだ」

ダイアナ妃の生涯をリアルタイムで知らなかった自分にとって、興味深く見応えのあるドキュメンタリー作品だった。なぜ人々がこれほどまでにダイアナ妃に熱狂し、没後26年経っても根強い人気があるのか、またダイアナ妃の存在がイギリスの君主制やマスコミの在り方にどのような影響を与えたのか、その一端が垣間見れた気がした。

ドキュメンタリー映画として、公平な立場を貫いていることに好感が持てた。ダイアナ妃に対する賛否が同じくらいの割合で描かれていた印象で、ダイアナ妃という一人の人間を多面的に捉えることができた。

特徴的だったのは、後撮りのナレーションやインタビューを挟まず、当時のニュース映像や音声、ホームビデオのみで構成されていること。言葉だけでは伝わりきらない、当時の空気感までもリアルに感じられた。

「イギリス王室がエンタメ業界の一部と化した」
人々は、スキャンダルやゴシップが大好き。人々が関心を持つから、タブロイド紙が売れる。

それにしても、チャールズ皇太子の生々しいテープ音声には驚かされた。

「現代人が古い制度に置かれると、壊されてしまう。誰でも壊されてしまう。しかし、制度が人を壊すのではなく、その制度自体に根本的な誤りがあるからです。人の問題ではない。」

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