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カラーパープルのlilyのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
3.9
試写会で拝見しました。
まず曲が良いし全員歌がお上手で楽しい。全曲明るくてテンションが上がった。最高ミュージカルです。
笑えるし泣けるし、映画的で前向きになれる、心温まる作品。
ソフィアやシャグに触れて徐々に変わっていくセリーを応援してしまうし、自分にも重ねてしまう。

オリジナルと比べて良かったと思ったのは、なぜセリーが店を開くときに服飾を選んだかとか、ミスターの最後の心境の変化のきっかけとかが描かれていてよりスムーズにストーリーが展開されていたところ。
あとここぞ!でセリーのブルースが歌われてオリジナルリスペクトを感じた。

あと、オリジナル版よりuglyって言われないし殴られないし、その他目を背けたくなるシーンが少なく、会話のなかで触れられる程度だからとても観やすい。ちょっと考えないと気づけないかもしれないけど、必要最低限はあるから苦しさも感じられるし、バランスいいのかなと思った。
反面、オリジナルを観て一番心に残ってるのは「苦しさ」で、ソフィアと触れてすぐに感情を伝えられたり、序盤から徐々に変わっていくセリーは、オリジナルのずーーーっと耐えて耐えて、変われなくて動けなくて、という絶望感とか辛さがあまりなく、個人的にはちょっと私の心へのダメージが物足りなかったです。

とはいえみんなに観てもらいたい、強さと弱さと希望に溢れた素敵な一本!
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