私は美しい
心をえぐる、多くの非人道的なシーン。繰り返される残虐行為は、フィクションではなく事実。女性差別と黒人差別。その両方を請け負わなければならなかった当時の黒人女性の人生は、壮絶の一言では収まらないほど過酷なものだった。これが映画というエンタメに昇華して尚、見るに堪えない、目に手を当てたくなるほどのものだったのだから、実際は...。考えたくない。
映画としては、大きな展開までがかなり冗長で、前半パートは色々と物足りなく感じてしまった。だけど、後半から一気に巻き返し、心がぐちゃぐちゃになりながらも、ラスト30分は手に汗握るほどひたすらに女性たちを応援していた。タラジ・P・ヘンソン除く黒人女性はほぼ演技初挑戦。Oscar、彼女たちに違いない。魂の演技。そして、全身を奮い立たせる歌声。差別、格差なんて絶対にあってはならない。胸にグサグサと刺さったこの感覚、一生留めておこうと思った。
2024-34
