このレビューはネタバレを含みます
音楽によって痛くてつらい現実を多少受け止めやすいようにしてくれている…
ブラックで、貧乏で、醜くて、女だからと
どこまで虐げられるのか。
中盤までのミスターが胸糞すぎてえぐい。しかも彼は特殊な一人じゃなくてみんなそういう考え方だったっていうのがさらにえぐい。
セリーにはシュグが、ソフィアが、ネティがいたけどもちろん現実には誰も助けてくれず何も気づけずただ絶望したまま生かされ殺されていった人たちがいるんだろうな…
強くて勝気でずっと戦ってきたソフィアが、それでも白人と黒人という差別の中にあっては太刀打ちできなかったところが響いた。
それがセリーに火をつけるというのもよかった。
自分の生んだ赤ちゃんから引き離され、妹からも引き離され、現実にただただ打ちのめされてきたセリーが愛を知り笑顔を取り戻し、悲しみを怒りに変え、ついには自分の美しさを自覚して自信を持つという高揚感は素晴らしかった。
ミュージカルシーンの美しさはさすが。
群舞の撮り方が本当に美しい。
歌もいろんなジャンルの曲があったしストンプみたいなのもあって楽しかった。
最後のThe Color Purple大好きな曲です。
再会する姉妹の後ろにミスターがいてほっこりみたいな雰囲気出してたけど引き離したのお前やからな。セリーは優しい。
自分だったら許せないけど、そう思えるのはシュグ、ソフィア、セリーのようにこうやって戦ってきてくれた先人がいたからなんだなー。
I'm hereは一度シンシア・エリヴォの生歌を聴いてしまったのでそのときのような感動まではなかったけど、魂のこもったいい曲だよね。