ミュージカル映画で人が突然歌い出すのはなんなのだろうか。私なりの解釈は、ほとばしる感情が言葉だけでなくリズムやメロディを伴って表現されているのだと考えている。
それを踏まえてのこの作品。
黒人男性は人種差別の観点では辛い立場にあると思うのだが、理不尽な婚姻制度もあってか家庭内では虐げる側の立場に立つ。それに抗える黒人女性もいるがそれができないひともいる。そして救いを宗教あるいは宗教音楽に求める。セリーもそんな一人だった、
黒人差別や女性差別に対して大いなるメッセージ性を持つこの作品。ミュージカル映画に仕上げたのは素晴らしいチャレンジだと感じる。戦う女性を描くには歌や踊りはマッチするけど、耐えるシーン悩むシーンが難しい。
どんなミュージカル映画にもそんなシーンはつきものだが、この作品の場合そこがうまくいってたか?私には刺さらなかった。特に前半部(冒頭除く)は必然性のない歌唱シーンが目立った気がする。