CHICORITA主任

カラーパープルのCHICORITA主任のレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
4.3
アリス・ウォーカーによる小説を1985年にかのスティーブン・スピルバーグが映画化。それを元に作られたブロードウェイミュージカルを映画化したのが本作となります。

1900年代初頭から中盤にかけてを舞台に、アメリカ南部で人種差別と性差別の二重の苦難を受ける黒人女性の人生を描く大河ドラマ。
原作が書かれたのが82年、一度目の映画化が85年ですが、「女性の自立」「女性の連帯=シスターフッド」「有害な男性性」といった本作で描かれるテーマは2024年現在でも切実な問題として訴えかけてきます。

重く、暗くなりがちなテーマを描く一方で、多くの歌曲が挿入され物語を彩ってくれ、ミュージカル映画としての楽しさも併せ持ちます。
主役のセリー役のファンテイジア・バリーノはじめミュージカル舞台版から引き続いての出演の俳優も多く、歌唱シーンの迫力は抜群。また登場人物の感情が歌としてよりエモーショナルに表現されることで、テーマの訴求力や感動もより大きくなっています。

女性映画の傑作が数多く公開された2023〜24年ですが、もう一本重要な作品が加わりましたね。

ぜひ音響の良い映画館でご鑑賞ください。
CHICORITA主任

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