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カラーパープルのdm10foreverのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
4.2
【誰のものでもない私】

今年の目標として、今まであまり観てこなかった「dm的未体験ゾーン」の映画にもチャレンジしていこうというのを掲げておりまして、その一つが「ミュージカル映画」なんですね。
今までも有名な作品(「ラ・ラ・ランド」や「グレイテスト・ショーマン」など)は何にも考えずに観ているので「全くダメ」って事でもないんですが、やっぱり「好んでは観なかったかな・・・」っていうのが正直なところかも・・・。

今までも「ボヘミアン・ラプソディ」や「ドラム・ライン」「シング・ストリート」など音楽を題材にした映画なんかは普通に観てきた方なんだけど、何故か「ミュージカル」ってなるとちょっと構えちゃうってのもあって・・・。
ま、食わず嫌いなのかもしれないけどね(笑)

というところで本作です。
まず物語を観ていて最初に「ふと」感じたこと。
最近「バービー」や「哀れなるものたち」と、昔から綿々と続いてきた男性上位の社会に対して「女性が一人の人間としてどう向き合っていくべきか」について考えさせられる作品に触れる機会が多いこともあり、そういう観点で観た時にこの作品はどういう着地を見せるのだろうか?という点でした。
(「バービー」と「哀れなるものたち」に関しては今回のアカデミー賞作品賞にもノミネートされているという点も感じるところはありますね)。
それは単純に「多様性」なんていう判で押したようなキラーワードの押し売りではなく、もっと根源的、且つ未だに結論を見ない大きな問題として。

勿論、これら3つの作品はどれも全く違うお話であるし、テイストも方向性も違うので一概に一纏めにしてしまうのは少々乱暴な括り方ではあるんだけど、それでも「所有されることで生まれる価値」に対して、「自分は誰のものでもない」というところに辿り着くための悪戦苦闘、そして、自分なりの帰着を見つけるという点では通ずる部分もあったのかもしれない。
果たして今作はどのような「着地」を見ることになるのか?
続きはネタバレも含むので、フィルターをかけて「ハーポの酒場」に置いておきます。
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