せっ

カラーパープルのせっのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
4.1

幼い頃から父親に性的虐待と全てを支配され、結婚後も暴力モラハラ男に支配され、自尊心も戦う気力もとうの昔に失った女性が、また同様に戦ってきた女性達との交流から徐々に心を回復して、自分を最大限肯定できるようになるまでの話。

この映画の中では、単純な女性と黒人差別だけでなく、支配する側される側の構図が沢山出てくる。家庭内でも男性から虐げられているのに一歩外に出たら人種差別に晒されるサリー達。そして、その白人側も恐らく市長が奥さんの所有者であるという考えから暴力が出たと推測できる。

これでもかと、こちらのヘイトを募らせ、有害な男性性を一手に引き受けるサリーの旦那"ミスターも、恐らく父親から「男になれ」と教えられ、その息子もまた同じように教えられ半ば人生を支配させられているように見えた。男性も男性を支配している。"常に虐げられた者がまた更に誰か別の者を虐げる。

この映画はそんな世の中の支配構図は無くならないけど、自分1人で立ち、自分を大好きになることでそこから少しは自由になれるだろうと思わせてくれる。サリーもシュグもソフィアも誰かに復讐はしない。ただ、自分の思うままに生きるだけ。でもそれがどんなに難しいことだったか。

それにしても、ソフィアの最初登場した時の底抜けの明るさと強さはめっちゃ良かったなぁ。それまで男性へのヘイトが溜まりまくってたが故に、めちゃくちゃ爽快だった〜!!「暴力男に価値はない」って言ってる歌も最高だった。
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