ハナカズキ

カラーパープルのハナカズキのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
4.6
久しぶりの映画館での鑑賞でした。

アリス・ウォーカー原作の「カラーパープル」は大学生の時に英語でも日本語でも何度も読んだ本でした。(英語では理解できず、なので日本語も読んでいます。)

主演のファンテイジア・バリーノですが、実は彼女が出演していた大人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」をずっと見ていました。

全米各地で行われるオーディションですが、参加者が10名ほどに絞られた段階で合宿が始まります。その10名ほどの中でもひときわスターの輝きを放っていたのがファンテイジアでした。もう一目ぼれです。ただ立っているだけでもオーラがすごい!当然の優勝のように思えました。ちなみに、その時ラスト5人目くらいまで残っていたのがジェニファー・ハドソンです。

楽しみにしていた今作ですが、実は不安もありました。と言うのも原作を読んだ時、あまりの主人公の救いのない境遇に自分の気持ちも暗くなり、物語としては悲惨さ100%ではないのですが、私の気持ちはその悲惨パートから抜け出せなかったのです。何度か読んでみたのですが何度読んでも同じ。そんな訳でスピルバーグ版も見ませんでした。

ですが、やはり映像の力ってすごい!!!本では暗くて苦しくて救いのない話に読んでいて辛さしか感じなかったのが、映像ではこんなに希望を感じ、明るく力強くて、そして神聖な空気をまとった物語になるのですね。

ミュージカルというのも大きいと思います。ファンテイジアや他の出演者の歌が素晴らしいのはもちろん、ダンスシーンの振り付けもかっこよく、ミュージカルらしい迫力がありました。

もちろん本には本の良さがあるのは承知していますが、これに関しては映画の素晴らしさが十二分に発揮されたのではと感じました。

やっぱり映画ってすごい!という気持ちを思い起こさせてくれました。そして、映画館で見る時間は特別ということも改めて実感しました。いつもテレビで配信ばかり見てますが、たまには映画館に行こうと思いました。

そうそう、今作は助演女優賞にノミネートされています。アカデミー賞ノミネート関連作品ちょっとずつ見ていこうシリーズ、なんとか3までつながりました。
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