Byleth

カラーパープルのBylethのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
4.3
元々はアリス・ウォーカーが1982年に出版した同名のベストセラー小説らしいのだが、それをあのスティーヴン・スピルバーグ監督が1985年に映画化して、第58回アカデミー賞で10部門11ノミネートを果たし世界中に衝撃を与えていたのは驚いた。あの『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』が公開された2年後にまさかスピルバーグがこれほどの作品を作っていたとは驚きだった。それが令和の時代に再びミュージカル映画として蘇ったのが今作。製作陣がスピルバーグ監督、1985年の映画に出演したオプラ・ウィンフリー、さらにクインシー・ジョーンズがプロデュースしているだけでも気合が入っていると聞いていた。
私は原作小説は未読で1985年版の映画も未見なのであまりよく知らない状態で鑑賞したが、今を生き抜くという事をテーマに、父親と夫に不自由な生活を強いられ、妹のネティと生き別れになったセリーが自由のある生活を目指して今を変えようとする物語には心を動かされ、希望の物語と呼ぶに相応しい内容だった。作中の時代背景が飛びすぎていて冒頭では1909年から始まっていたのが、ラストでは一気に1947年に進むって、時代を駆け抜ける壮大なストーリーになってて驚いた。
アカデミー賞助演女優賞にノミネートされているダニエル・ブルックスの演技力はノミネートに相応しい実力のある演技であり、他には主演のファンティジア・バリーノもゴールデングローブ賞コメディ・ミュージカル部門主演女優賞にノミネートされており、ミュージカル版と同じキャスティングにしたのも頷ける演技であり、ノミネートも納得できた。

追記:助演女優賞受賞を逃したのは残念、でも今年ベスト候補になり得る立場の作品だった
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