ぐり

カラーパープルのぐりのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
2.3
開始から、迫力の歌と踊りで身体が揺れた。
ハーポが新居を建てるシーンのミュージカルも
ハーポとソフィアの結婚式のシーンのミュージカルも
スゴい好き。

ストーリーは考えさせるものも。
セリーは2人の子供を産んでるが、それはお父さんとの間の子供。
お父さんは実は義理のお義父さんだったんだけれども、父親の子供を2人も妊娠させられるとは…
今なら驚く出来事だが、セリーはその事自体には嫌悪を抱いていない。お父さんを忌避はしていたようだが、それは暴力や支配に対してと思われる。
ミスターと結婚させられた初夜も、ミスターはセリーを醜いと罵りながらもやることはやる。

少子化が叫ばれる昨今だが、そう遠くない昔の人々はそうやって望まない妊娠出産を受け入れてきたから、子供も多かったんじゃないだろうかと思った。
望む妊娠が主流になった現代で子供が減るのは、昔より子供が減ったのは、正常なんじゃないかとか、今が減ったのではなく昔が異常に多かったんじゃないかとか考えさせられた。

ホモソーシャル的な文化を悪者として描く本作だが、虐げられる女性ばかりフューチャーし、男性の目線が恣意的に少ないように感ぜられ残念。
ミスターが急に人が変わったように理解深くなった場面も違和感。人は寂しさと大雨に打たれたくらいで一変したりはしないだろう。
もっと、様々な葛藤の先に人は少しずつ、わからないくらい少しずつ変わっていくものだと思う。

ホモソーシャルを養護する意図があるわけではない。
が、
ホモソーシャルが悪意の塊ということもないだろう。

わたしは登場人物のなかではソフィアが好き。
ソフィアの真っ直ぐでダメなところが、とても好き。
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