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カラーパープルのamiのネタバレレビュー・内容・結末

カラーパープル(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

前情報なし、ミュージカルであるということだけで鑑賞。
明るくポップな歌が流れる間、過度な説明なく幼い彼女たちが生きる世界が地獄だと段々わかってくる。父親の子を宿し、それを当然のように受け入れているようなセリー。出産してもすぐに我が子を取り上げられる。物のように突然男に引き渡される。それはおぞましく、怒っていい、泣いていいことなのにそれすら理解できないような環境なのか。

唯一の愛する家族であるネティからの手紙も長年隠されて奴隷のように働かされるセリー。
ネティの入国に金を出そうがセリーが仕立てた派手なパンツを履こうが私はミスターを許せない。
実の父親のことを黙り、性加害を繰り返した育ての親のアルフォンソも絶対に許せない。
ソフィアに手をあげたハーポのことも許せない。
ソフィアに先に手を出した市長も、市長婦人も絶対に許せない。
とわたしは全く許せないんだけど、この映画は少なくともミスターやハーポを赦そうとしている。悪の連鎖は断ち切れ、誰でも改めることができるということだろうか。でもミスターは畑がめちゃくちゃにならなかったら改心しなくないか?!

黒人差別、女性差別、男らしさを押し付けられる男性の生きづらさは現代に未だにしつこく残っており、この映画を今の時代に観る意義はある。
なにより、エンドクレジット曲の「I was right here in the darkest hours」という歌詞が全てであると思う。暗黒の時間を過ごした過去の人々を忘れずにこれからを生きていく必要性。

キャラクターは風呂敷広げすぎな気がする。スクイークは結局メンフィスに行ってなにしたの?結局戻ってセリーの家で働いてるの?ハーポに一言文句言わなくていいの?
シュグと父親の和解は唐突すぎない?
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