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カラーパープルのぴーのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
3.4
「4~5年前にスピルバーグ版を観た人がうろ覚えの記憶を頼りに再現してみました」みたいな感じ。
アヴァンからタイトルまでで察して覚悟した通り、いかに(別に特段好きでもなかった)スピルバーグ版が素晴らしかったかを思い知らされる2時間半だった。
むしろスピルバーグ版を観てたから補助線を引いてなんとか観れたけど、初見でこれだったらもっとキツかった説も濃厚。
ミュージカル映画としても同監督『ウェストサイドストーリー』の文字通り足元にも及ばない(ここ比べるのも酷か…)。

ほとんどブロードウェイの舞台版そのままなんやろなあ、というところだらけ。
「はい、ここがあの名シーンですよ〜」と言わんばかりの過剰な歌舞伎仕草にサブイボ(悪い意味で)。
画も動きも演出も編集も美術も曲もコレオグラフも弱い…全然予算なかったのだろうか。
結局スピルバーグ版から引き継がれたクインシージョーンズの仕事“Miss Celie’s Blues (Sister)”が一番良い曲やし、うーん。ジョンバティステのピアノが聴けたのは良し。
せっかくブラックの話なのに、何もここまでミュージカル然とした曲群じゃなくてもよかったのではと思ったけど、まあ舞台の実写化以上の何かは求められなかったのかな。
目当てにしてたH.E.Rの歌はいつ聴けるんやろうと心待ちにしてたのに5秒ぐらいしか歌わんかったし。なんそれ。

コーリー・ホーキンズも出演してる稀代の名作『イン・ザ・ハイツ』がまた観たくなりました。近年のミュージカル映画ではあれが文字通り至高です。
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