ちゃわ

カラーパープルのちゃわのレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
3.5
アメリカの歴史がいまいち分かっていなかったので、後から調べたが、1900年初頭の話で、既に奴隷解放宣言から50年も経っているのに、ジョージア州の黒人女性は、黒人男性から奴隷のように扱われている、という話。

主人公のセリーは、父のレイプによって2度も妊娠させられ、子供はどかこに取り上げられて、ある日子供の世話をする人が欲しいと家にやってきたミスター(3人子供がいる)に嫁がされ、そこでも家事奴隷のような生活を送る。唯一の味方、妹のネイティは何度も姉に手紙を書いていたのに、ミスターが郵便ポストを自分の物にし、手紙は隠されていた。

毎日ぶっ叩かれて、意味不明に差別され、地獄のような日々を送っている。やがて歌手のシュグエイブリーや、息子の嫁のソフィアと出会うことにより、ノーと言っていいことに気づき、母に教えてもらった裁縫をきっかけに、ズボン屋さんを経営するまでに成長していく。

私が天邪鬼なせいかもしれないが、本来であれば感度するべき作品なのだが、どこかセリーが遠い存在に感じられてしまう。ここ100年くらいで女性の地位があがり、まだまだ平等ではないことも多いが、牛のように扱われていた時代から考えると、比べ物にならないくらい良くなっているため、女性の地位の出発地点は確かにここにあったのかもしれないけど、ここまで遡って、今はマシだろと言われても、イマイチ感度出来ない。

朝のテレビ小説「虎に翼」でも、妻の所有物を夫が管理するなど、今では考えられないくらい封建的なルールに、主人公がはて?を連発するのだが、こちらは牛のように引っ叩かれるよりは、幾分マシなスタートなので、身近な存在として見る事ができるのだと思う。
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