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キラー・セラピーのRAMPOのレビュー・感想・評価

キラー・セラピー(2019年製作の映画)
2.8
何か、“まんま”だなぁって印象。
開幕早々から主人公の少年の人格が破綻してる(あの“目つき”www尋常じゃない)。

確かに望まない養子の“妹”の存在が一つのきっかけなのは間違いないし、彼の治療に当たるセラピスト達の一部に酷い奴が紛れてたのも確かだろうが、結局のところは彼自身の双極性障害(躁うつ病)が根底にあるし、彼を見舞う不幸のいくつかは彼自身に原因がある。

一方で、当初は一方的に毛嫌いされた“妹”が、仕方ない面もあろうが、最後まで“家族”として彼を愛し、支えになろうとしなかった(のみならず積極的に嫌悪し続けた)点において、その異常なサイコキラーの生成に寄与してる。
少なくとも最初の事件は妹を思ってのことのように感じたが、そのことに妹が思いを致すことはない。
その点で視聴者的には妹の心情にも寄り添い切れず、被害者でもあるのに自業自得だろって気分にさえなる。

そもそも、この家族に“なぜ養子が必要だったのか”劇中で度々問う場面はあるが、その理由が明確に語られる事なく断片情報で類推するしかない点についても居心地の悪さを感じる。

個々のシーンでは、凝ったカメラワークもあって映像表現としての面白さを感じる部分もあるけど、概して終始、精神異常者による犯罪、殺人行為を見せつけられているだけで、映画という娯楽作品を観ている気がせず、胸糞悪さだけが残る。

うん、ホラー、ではないね。ストーリー展開は全く違うけど、印象という意味で以前観た「アングスト」に近いかもしれない。
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