馮美梅

漁港の肉子ちゃんの馮美梅のレビュー・感想・評価

漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)
3.8
明石家さんまさんが企画とプロデュースをしたこの作品。さんまさんらしい心温まる物語となっています。原作は未読です。

ある漁港のグラスボートに住んでいる肉子ちゃん(見須子菊子)と小学生の娘のきくりん/キクコ(喜久子)。肉子は普段は焼き肉店「うをがし」で働いていて、きくりんも夜の賄を食べに行っている。

底抜けに明るい肉子に若干振り回されているっ様な感じのキクコではあるけれど、そんな肉子を見て反面教師なのか少し大人びた感じでもある。

学校の中での女の子同士のマウント取りに若干うんざりしたり、毎日通学時に観×3人組の男子の中の1人二宮に興味を持ったりしながら少しずつ成長していく様子が描かれています。

家族とは、親子とは、友人とは…
肉子のキクコの関係性、そして二宮とキクコの2人だけの秘密の共有。

特にみうと肉子の関係は結果的にああいうことになってしまったけれど、それもこれもきっとその時のみうもいっぱいいっぱいだったんだろうな。したことはひどいことなのかもしれないけれど、それも含めて肉子がそんなみうの事を全部受け止め大事にきくりんを育てていったんだなと。

大切な場所となった今この土地を離れたくないと思うキクコにサッサンが「我慢するな。俺もみんな家族なんだから」と言われたキクコは改めて自分と向き合い、肉子と向き合って、少しずついろんな人に自分をさらけ出せるようになっていくんじゃないかとおもうし、最後の肉子の「おめでとう」と言った時の表情はまさに母親そのものだったと思う。

劇中で、台所やうをがしなどにさんまさんのCMでおなじみの創味の商品などがチラホラ登場していたり、懐かしい某作品のDVDとか登場してふふふッとなったりもして、最後の最後のとどめも最高だった。

特にキクコと二宮のシーンはなんか不思議な関係ながらも凄く良かった。

あと、兎に角食事のシーンが多くて、特別な料理ではないんだけど、調理シーンも丁寧で、そして美味しそうなんですよね~とても丁寧に作画されているのも良かった。料理にもいろんな思いが込められているのもわかったしね。
馮美梅

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